George:大学の教員の役割は大きく分けて3つあります。①研究、②教育、③学内行政(書類作成などを含む)です。 ①~②は説明するまでもないと思いますが、③は働いたことがないとイメージしにくいかもしれません。例えば、入試の監督、カリキュラムの見直し、オープンキャンパスの運営、広報、役職に就けば学部・学科の様々な運営、それらにまつわる書類の作成などです(もちろんこれらの業務をすべて担うわけではなく、どの委員になるかにもよってだいぶ違います。) 質問にある「大学教員になるにあたっての心構えやアドバイス」を回答する前にまず押さえておかないといけないのは、大学教員の働き方は、着任した大学によって①~③の業務の割合がかなり異なるという点です。 ①はトップの大学に行けば行くほど、それで成果を出すことが求められます。本や論文を書いたり、科研費などの外部資金を取るなどですね。 ②はどの大学でも重視されるようになってきていますが、はやり大学のレベルによって、どれくらい丁寧に教育に時間を割かなければならないかが変わるでしょう。また、例えば地方の小さい大学であればそもそもの担当授業数がかなり多いことも多く、大学によって授業で拘束される時間も大きく変わります。 ③は大学によって本当に忙しさが違います(着任した大学の職員の多さ・少なさも大きく関係します)。受験生があまり集まらないような大学では、受験生集めに奔走しなければならないでしょうし、自分が長が付くような仕事に就けば、会議やペーパーワークに追われます。 こうした点をふまえて、大学教員になるにあたっての心構えやアドバイスがあるとすれば、大学の教員はこうだ、というイメージを固定化させないようにしておく、ということでしょうか。質問者さんが大学教員になった動機はわかりませんが、現在の大学の多くは、本当に様々な仕事を教員が担わないと回りません。ですので、「こんなことをするために大学の教員になったんじゃない」という思いを抱かないためにも、上述したような現実を知っておくことは大事だと思います。(阅读更多)