小山一貴＠野良小説編集者:ああ、お疲れ様でございます……。大分怪しげな雰囲気が漂っていますね……。 まずは書籍化おめでとうございます！ 書籍化を決めてしまえば、その時点で今まで書いた他の作品より偉いですからね！ たとえ不人気作だったとしても、自信をもって書籍化作業を進めていきましょう！ その上で担当編集さんとコミュニケーションがうまくいっていないという話ですね。 あるあると言ってはなんですが、業界ではよく聞く類の話ではあります。 ただ、当たり前の状態ではないので、あまりにもひどいようでしたら編集長と話をさせてくれと言い出した方がいいです。 編集長がまともな方だったら、その担当編集の態度を改めさせるか、そもそも担当を変えるかなどの対応を取ってくれるはずですので。 さて、今回の場合は相手が新卒2年目なので、そもそも社会人としての『ほうれんそう』が出来ていないという可能性もありますが、なるべく一般論で話しましょうか。 編集さんにメールを送っても返信がない場合、とんでもなく忙しい（アニメ化作品を抱えていると）か、他に優先したい作品があるというのがまずセオリーです。 そんな状況でも「後で連絡します」くらいは返信するべきだと僕は考えていますが、まぁそこで後回しにする方が多いのが実情です。 おそらく質問者さんの担当編集さんも、他に優先することが多くて後回し後回しにしているうち返信を忘れてしまう……というのを繰り返しているのでは、というのが好意的な解釈です。 セオリーから外れている場合の話ですと、質問者さんのおっしゃる理由かまではわかりませんが、何らかの理由で連絡を取りたくないと思われている場合。 売れないだろうと思っている作品を書籍化することはまずないので、何らかのコミュニケーションエラーが原因だとは思うのですが、そもそもメールを全無視するというのがあり得なさすぎて、ちょっと想像もつかないというのが本音です。 一度、なにか喧嘩をしたり嫌われるようなことをしてしまったかどうか思い返してみてはいかがでしょう？ それで何も思い当たらない場合、言いづらいことですが担当編集さんが相当問題のある人物だと考えるしか……。 その状況で書籍化作業は無事に進んでいるのでしょうか……？　僕としてはそこすらも怪しくて怖くなってきました。 改稿中とのことなので、イラスト選定などはまだかもしれませんし、状況を詳しく知らないので込み入った話は難しいです。 しかし、出版契約だけは先んじて結ぶことを会社と話した方がいいと思います。 もう結んでいるとしたら杞憂ですが、まだでしたら最優先にしてください。 出版契約は会社ごとに細かい内容は変わりますが、著作権法上の事情で絶対に入ってくる内容として、出版社は契約後半年以内に該当作品を出版する義務を負う、というものがあります。 時期に関しては諸般の事情でずれ込むことを考えて補遺が設定されている場合もありますが、出版の義務が生じることだけは共通です。 たとえ今の担当編集さんがメールを返さないだけではなく、編集業務すら投げ出したとしてもどうにかできる絶対の権利なので、とりあえずそこについて編集長や会社に相談をするのがいいと思います。 ここまで色々話しましたが、夢を掴むための第一歩を踏み出したところで足踏みするのはとてもお辛いですよね……。 でも、編集者としてはせっかくのプロデビューの機会を大事にしてほしいと思ってしまいます。 本当に無理なら諦めてしまった方がいいと思いますが、やれるだけは頑張ってほしいです！ 応援しております！ 会社ごとの事情まではわかりませんが、出版手続きなどについてはある程度お話しできることなどもあるので、本当にお困りでしたらご相談してもらえば力になれるかとも思います。 ただ、流石に無償とはいきませんので、なるべく会社とのお話しで解決されるのが良いかと。 質問者さんの未来に幸多からんことを祈っております。