小川仁志:とてもシンプルなことだと思うのですが、相談者の心境が複雑に縺れてしまっているようですので、あえて一つひとつ読み解いていきましょう。分析哲学風にいきますね。まず、現象として相談者が嫌われているのは確かなのですよね。そして、曖昧な態度なら嫌われている方がいいと思っている。これも事実ですね。ただ、その理由はわからないといわれています。そしてここが大事な部分ですが、ご自身の願望としてはできれば嫌われることなく人と接したい。つまり、明らかな現象が２つ、不明の理由が１つ、明らかな願望が１つです。しかも、それらの現象のせいで、この願望が生じている。ということは、現在不明である理由を明らかにすることで、現象と願望がつながるのではないでしょうか。そこで、なぜ自分が曖昧な態度を避けるのかですが、ご自身も書かれているように、きっと嫌われているという疑心暗鬼に陥りたくないのでしょう。それならいっそ嫌われているとわかった方がすっきりしますから。でも、本当は嫌われたいわけではないのです。したがって、相談者がやるべきことは一つです。嫌われないように努めることです。そこが難しいといわれるかもしれませんが、ヒントはこれまでのご自身の態度の中にあるように思います。今までは、嫌われているのではという疑心暗鬼を避けようとしてきました。そのせいで結果として嫌われてしまったのではないでしょうか。人は好かれることも嫌われることもあります。でも、常に嫌われる方を選ぶ態度を取っていると、誰も好きになってはくれません。その様子を見ている周囲の人たちだって、相談者の性格が悪い、とっつきにくいと感じてしまうことでしょう。そうして益々人が離れていきます。だから逆説的ですが、嫌われることを恐れないことが、好かれる結果につながるように思うのです。ぜひ嫌われることを恐れることなく、嫌われないような親しみを持った態度で人と接してみてはいかがでしょうか。