kmizu:Scalaは好みですが「美しく」はないのでおいておいて :-)、「美しさ」でいうとRacketでしょうか。RacketはPLT
Schemeと呼ばれるScheme処理系が元になった言語ですが、言語のコアをシンプルに保つというSchemeの流儀は受け継ぎつつ、漸進的型づけなど実用的な機能をきっちり組み込んでいるところに美しさを感じます。実用的に使える便利機構が色々ありながらもコアはシンプルであるというところの美しさといいますか。そのほかに重要な点として、Racket独自のマクロシステムがあります。
いわゆる「Lisp系言語」のマクロの弱点に「マクロでDSLが作れるとは言えど、マクロの使い方を誤るとマクロの展開結果がそのまま表示されてデバッグが困難になる」という問題がありましたが、Racketでは、構文制約をマクロにつけることができ、マクロの展開前に適切なメッセージを出すことができます。これもRacket自体を必要以上に複雑にしないようによく考えられています。
その他にもコントラクト(契約)システム、など実務で使う上で大切な機構が色々組み込まれていますが、やっぱりコアの言語はあまり汚していない印象で「実用的に使えて、美しさを損なわないデザインだな」と感じます。
という風に筆者はRacketの大ファンだったりするのですが、Racket自体が「Lisp系言語」と見られてしまうせいか(作者はそのことについて不本意だとどこかで聞いたことがありますが、間違ってたらすいません)、世間的な知名度はイマイチなようです。