田口善弘@中央大学:プロペラ機とジェット機の違いの1つは「作りだされた空気の流れが翼に当たるか当たらないか」です。プロペラ機はプロペラの後方に翼があるので、プロペラが生み出した空気の流れが直接翼に当たります。翼は空気の流れがあたれば揚力を生み出せるので、プロペラ機は原理的には止まっていても推力を発生させることができます。ジェット機は、ジェットエンジンが生み出した空気の流れは翼には当たらないので、スピードをあ上げないと翼に当たる空気の速さを速くできません。プロペラ機であるセスナは時速100キロくらいで離陸できますが、一般的なジェット旅客機は時速300キロくらいないと離陸できません(この差はジェットエンジンとプロペラの差だけではなく、機体の重量の差も含んでいます。実際、ナウシカに出てくるメーヴェを実物で作ったM-02Jという機体はジェットエンジンで飛びますが、最高水平速度が時速100キロ足らずですがそれでも離陸することができます(これはたった100キログラムしかない軽量の機体だからです。典型的なセスナの重量は7~800キログラムもありますが、それでも時速100キロで離陸できます)。というわけでプロペラ機がジェット機に優っている1つの理由は遅くても離陸できるので滑走路も短くて済む、という利点でしょう。
参考
【飛行機のエンジン】ジェットエンジンの特徴(プロペラ機と比べて)│飛行機パイロット (hikouki-pilot.com)
オープンスカイプロジェクト - Wikipedia