研究者も研究と教育によって,お金を稼いでいます.決して裕福ではありませんが,一応生活できるレベルの対価をいただいているものと思います.研究を行うにはお金がかかります.そのために,研究者は研究費を申請し,厳しい審査を受けて,年間数百万円から数千万円の研究費を受けることがあります.しかし,これは研究費であって,研究者が生活の為に用いることは,日本では法律で厳しく禁止されています.しかし,海外例えば米国,中国,ロシア,ヨーロッパなどでは,研究費の一部を研究者の給与の一部として,研究者の生活に使用できますので,このような国にゆけば,良い研究計画を申請し,認められ研究費が受理されれば,ある程度生活も楽になることがあります.

このように日本では,研究者が生活費としてのお金を稼ぐことに様々な制約があります.それを超えて収入が必要な場合は,講演活動や執筆活動,書籍から印税を得るのも一つでしょう.また,公の研究・教育機関では兼業も可能ですが,その場合には,本務に影響しないことなど,機関や国の許可が必要になります.また,利益相反(Conflict of interest)がないことが必要になります.

稼げる研究者というのは,どのような意味でしょうか.大きな研究費を獲得できる研究者は,大学では稼げる研究者とみなされますが,その研究者は,研究費を自身の給与など生活費に使用することは厳しく禁止されています.日本にいる限り様々な法律の制約から,生活のために大きな対価を得るのは無理ではないかと思います.米国などに移って,その国の法律にしたがって,企業との共同研究を行うのがもっとも確実であろうと思います.この場合でも利益相反がないことが非常に重要になります.


2021/12/30Posted
Loading...
Send anonymous messages to 大谷栄治
0 / 20000

Please read and agree to the Terms of Service and Privacy Policy before using.

Loading...