佐渡島 庸平(コルク代表):成功とは、何かによりますが、正直、エンタメは簡単にヒットしません。ほとんど作品は、失敗に終わります。 失敗に終わるため、成功するには、継続して挑戦し続ける必要があります。うまくいってる時に、他者と関係を築くのはそんなに難しいことじゃありません。お互い余裕がありますし、自信もあります。重要なのはうまくいかなかった時に、関係が壊れないように事前に信頼関係を築いておくことです。 お互いに成功してないのに、信頼しあうって、すごく難しいですよね。 漫画家と編集者の間に必要な信頼関係は、仕事にしろ、プライベートにしろ、他者と協力しあう時には、常に必要となる種類のものだと僕は思っています。 人は、うまくいってない時に、原因を相手のせいだと思ってしまうものです。しかし、それは大抵の場合、認知の誤謬です。環境などさまざまな要因の複合として、失敗しています。明確に指摘できるほど、明らかなミスで失敗することなんてありません。編集者も作家も、どちらもが実力不足だったのです。それぞれが、次回どんな工夫をするのか。一緒に失敗を振り返って、次への改善のための話し合いができるコンビが、成功する確率は高いです。 関係を築く時に、僕が工夫してることがあります。「人に興味を持つといい」と良く言いますが、具体的にどうすればいいのかは、わかりにくいですよね。僕は、相手が好きなことに興味を持つようにしてます。相手が何を好きで、何を嫌いなのか。そこには、創作に必要なヒントがたくさん詰まっています。 編集者だけが、作家に興味を持てばいいわけではないとも思っています。関係を続けるためには、お互いに興味を持ち合うことが大事です。相互に、自分たちが幼少期に好きだったもの、今、好きなものを質問し合い、深掘りしていくのが重要だと思っています。(Read more)