竹村俊彦:良い質問です。私からは、気象・気候について回答します。
これは、北半球と南半球の気象・気候の違いを解析すると推定できることがあります。北半球は、南半球よりも陸の比が大きいためです。例えば、気温の日較差(1日内での最低気温と最高気温の差)や年較差(月平均気温で最も高い月と低い月の差)は、陸上の方が大きいことが知られています。これは、水の比熱が陸よりも大きいためです。また、人類による温室効果ガス濃度増加に伴って、地球表層圏のエネルギーバランスが崩れて、エネルギーが溜まる傾向にありますが、余分なエネルギーのおよそ9割は海洋が吸収しています。海洋の体積が減少すると、温暖化傾向がより強く現れる可能性があるでしょう。また、質問の範囲を超えるかもしれませんが、面積比だけではなく、海陸の分布も気象・気候を決める重要な要素です。大陸西岸は東岸よりも気候が穏やかです。
気候変化の解析や、将来の気候予測のために、気候モデル(ソフトウェア)を用いたコンピュータシミュレーションを行いますが、気候モデルは、現実とは異なる条件を設定して利用できるため、海陸比をさまざまに変化させた実験をするのも面白いかもしれません。