読書感想文、とても苦手でした。いまにして思えば、誰に向けて何をどう書けばいいのか、そのすべてがわからないままに原稿用紙のマス目を文字で埋めなさいと言われていた感覚だったと思います。
あなたの「楽しいから本を読んでいるだけ」という気持ちに添っていうならば「本を読んでいるだけで楽しいのに、なぜ読書感想文を書かなくてはいけないのか」ということですね。
読書感想文は文章であり、文章は読み手に何かを伝えるためのものですから、「自分が読んだ本について相手に読書感想文を通して伝えたいこと」が存在するならば、話はがらっと変わりそうです。
最近ではよく「推し」という表現が使われますよね。自分が好きなもの、単に「好き」ではなくて、心の底から全力で応援したいものに対して使う表現です。「推し」についてならば、あれもこれも語りたくなる。相手にもこの素晴らしさが伝わってほしい。いっしょに「いいよね!」と共感したい。そんな対象が「推し」です。
読書感想文も「自分が強く推す本」について書こうとするならば、相手に伝えることを意識して書き始めやすいと思います。その本について深く考えていますし、感じていることや伝えたい魅力もたくさんわかっているからです。もっとも今度は、伝えたいことがたくさんありすぎるために読書感想文を書くのが難しくなるかもしれませんけれど。
* * *
心から推せる本について書くのではなく、宿題だからしょうがなく書かなければならない読書感想文の場合には、例えば以下のような「読書感想文のテンプレート」に当てはめればそれなりに楽に書けます。
以下は、結城浩「読書感想文のテンプレート(文章を書く心がけ)」冒頭部分から引用しました。
https://mm.hyuki.net/n/n22d53a0dfb3a
■読書感想文のテンプレート
(1)主人公のセリフを書く
最も印象に残った主人公のセリフを最初に書きましょう。
(2)主人公の心情を書く
主人公のそのセリフは、どんな場面のどんな心情から出たものかを書きましょう。
(3)あなたとの関わりを書く
主人公のそのセリフは、どうしてあなたの印象に残ったのかを書きましょう。
(4)主人公の変化を書く
そのセリフの前後での、主人公の変化について書きましょう。
(5)あなたの変化を書く
主人公を自分に重ねたとき、同じ変化は想像できるでしょうか。同じ変化は起こりえるでしょうか。その問いに自分なりに答えて終わります。
詳しい解説は「読書感想文のテンプレート(文章を書く心がけ)」へ。