渡辺浩弐:ペンネームを使い分けるのではなく全くの別人として活動をリスタートすることは、昔の作家はよくやっていたらしいです(官能小説を多く書いてきた作家が純文学に挑戦する時など)が、今はあまりうまくいかないようです。
その方法としては
1.出版社と一緒に企んで、別名で新刊を出す。
2.出版社にも内緒で、名前を変えて新人賞などに応募する。
以上2つあります。
1.の方法は幾多の例がありますが、たいていは出版社ないし周辺の人間からぽろりと漏れてしまうようです。
作家側はかなり本気でやっていても、出版社側は本が出る段階では1冊でも多く売ることが使命になりますから、営業や流通の現場などで、無名の新人のはずの著者について「実はですねー」と言ってしまうんですね。今はSNS時代ですから、少しでも漏れたらもうおしまいです。ただの「ペンネームを複数持っている人」になります。
2.の方法ですが、これは、2023年までは可能だったかもしれませんが、2024年以降は無理だと思います。AI作家の出現によって、応募者の特定が厳しくなるからです。
今だったら、外側を変えるより、逆に中身を次々と入れ替えていく方が面白いと思いますよ。Vtuberみたいに、