chita:* 微生物が他の微生物と争うために作る武器を借りている
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酵母がアルコールを、乳酸菌が酸性の雰囲気を作るように、多くの微生物が他の生物の生存を脅かすための化学物質を環境に振り撒いています。そういった化学物質のうち、特にめざましい効果を発揮するんだけど工業的に合成するのは難しい、生成を発酵に強く頼るようなものを抗生物質と呼んでいます。英語でanti-bioticsって言うから「抗・生物・質」って区切って読むのが正しいのかも知れません。
関連する研究が進んだ今では意味合いも広がっていて、微生物の生成物に化学的な処理を加えたものも同じく抗生物質と呼んでいます。また、遺伝子の活動を阻害するせいで人体に悪影響を及ぼすものを癌細胞を死滅させるために利用している例もあって、抗癌性抗生物質と呼んだりしています。
質問の意図が作用機序のほう──抗生物質が細菌に対してどのように働きかけるかを知りたかったのでしたら、そちらのほうはちょっとうまく説明できません。ごめんなさい。細菌の細胞壁を壊したり、ヒトには関係ないアミノ酸の生成を阻害したり、まあ色々です。
https://www.chem-station.com/blog/2007/06/antibiotics.html
https://www2.kuh.kumamoto-u.ac.jp/gairaichemo/manual-pdf/02_30.pdf
抗癌性抗生物質の「心毒性」について