杉本憲彦:再生可能エネルギーで言うと、日本は洋上風力、小規模水力、地熱発電のポテンシャルが高いと個人的に思っています。原子力発電は化石燃料を使用していて、ウランが枯渇すると使えなくなるため、火力発電と原理的には同じであり、再生可能とは言えません。もし増殖炉を使えば、可採年数は大幅に延びますが、それでも再生可能(太陽から今来ているエネルギーを使っていること)にはなりません。
日本は周囲を海で囲まれています。海洋上は風が強くなり、風力発電を行うには効果的です。また古くから水田のために山間地に水路が開発されていて、その高低差を利用する小規模水力発電のポテンシャルは高いと思います。また、様々な場所で温泉に入れるように、地熱に関しても大きな可能性があります。
太陽光を直接利用するには、緯度が高く晴天率も低いため不利なのですが、海で高効率な藻を使って光合成をすれば、バイオの可能性はあるかもしれません。
いずれにしても、どれを選択するか(しないか)は国民の意思決定に基づくもので、専門家の意向だけでは決まりません。みんなで持続可能な未来を考えることが大事だと思います。