私が最初に場の量子論を学んだ時のことを思い出しました。第2量子化とか、訳の分からない話が出てきて、難しいというよりも、どうしてそんなことをするのかわからなくて悩んだ記憶があります。きっと当時の私みたいに入り口に立った方だと思って回答してみます。
場の量子論を学びたいと思ったということは、すでに量子力学を学んだところですよね。粒子が2つ、3つ、あるいはもっとたくさんあって互いに相互作用すると、その量子力学は極端に難しくなるのは想像できますか? とても解けない。もっと簡単なやり方はないか、ということで場の量子論が登場します。ややこしい問題を簡単な形に書き直して量子力学を適用するわけです。というわけで、実はそんなに難しい話ではありません。
とりあえず必要な数学はフーリエ変換ですね。それと量子力学の基礎がわかっていれば、場の量子論のエッセンスを学ぶことができます。
もちろん、どんな分野も突き詰めていくと、深く、そして広くなります。それに応じて必要な数学も増えていくでしょう。複素解析とか、微分幾何とか。でも、すべて学んでからと言っていては、いつまで経っても先に進めません。まずは挑戦してみて、わからなくなったら戻ればいいのです。
独学でも学びやすい教科書の一つとして、Greiner, Reinhardt, "Field quantization" と、同じ著者のシリーズをあげておきます。導出が丁寧ですので、計算を一つ一つ追うのもやりやすいかと思います。
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