さえきじゅんこ:文系大学教員の職業病としては、話が長いということがあります。若いころ、ベテランの先生が15分のお話というところ、30分くらいお話しをされて、会合のスタッフの方もまったくとめられなかったということがあり驚きましたが、ベテランの研究者に対しては、時間がオーバーしても誰もなにもいわないというあまりよくない暗黙の了解が昭和期にはありましたので、その種の、社会人としては常識にかないにくい振る舞いが、研究者は社会常識がない、世間知らず、というステレオタイプ(だが、実態は確かにある)につながってしまうため、若いころに目にした一部の大学教員のふるまいをまさに”反面教師”として、公的場面においては、指定された時間内にしゃべることを心掛けています。ただ、私的な会話になると、私自身もつい話が長くなることがあるので、最近は意識して、30分くらいでおわるようにします、とあらかじめ相手と話す時間をきって、きをつけるようにしています。また、ミスしたときの言い訳が長いという職業病(大学教員はえらいという思い込みが特に高学歴教員にあるため、自己正当化が激しく、言い訳をきかされる相手の貴重な時間を奪っているという自覚がない)もあるため、こうした職業病に侵された一部の人々をまのあたりにすると、同じようになってはならないとやはり”反面教師”にするところです。幸い、印象論ではありますが、若い世代にはこうした職業病は減ってきているようにみえます。