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『数学ガール』というシリーズものの本を書いています。「職業病」といえるかどうかわかりませんが、他の人の文章を読んでいるとき、つい「この表現はこうした方がいいかもしれないな」や「この例よりはこっちの例の方が適切じゃないか」のように考えてしまいます。他人が書いた文章であるにもかかわらず、より正確でよりわかりやすい文章にならないか、どうしても考えてしまうのです。

特に、自分の本のゲラ(校正刷り)で文章をチェックする期間はそれが顕著で、やや大げさにいうならば、誰が書いた文章かによらず、見る文章すべてをチェックしないと気が済まない状態になってしまいます。「頭が校正モードになっている」とでもいうのでしょうか。

Webではしばしば、文章を書いた本人にすぐレスポンスを送ることができますから、うっかりすると頼まれもしないのに「ここはこう書いた方がいいですよ」と余計なことを言いそうになります。

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結城浩

EngineerWriter

本を書いて生活しています。著書は『数学ガール』『プログラマの数学』『数学文章作法』『暗号技術入門』など多数。文章を書くこと、学んだり教えたりすること、プログラミング、数学、人と人とのコミュニケーションなどに関心があります。詳しい活動内容は https://mm.hyuki.net/n/n5f00c9cd281c をご覧ください。アマゾンの著者ページは https://link.hyuki.net/amayuki にあります。なお、私は数学読み物を書いていますが、数学科出身でもありませんし、数学の研究者でもありません。2014年度の日本数学会出版賞を受賞しました。〔ゆうき・ひろし〕