粟田知穂:公表数値に基づけば、「再犯者率」すなわち検挙等された者の中に過去にも検挙等された者がどの程度いるのかを見る指標がまず思い当たります。犯罪白書によれば、刑法犯の検挙人員中の再犯者率は令和3年が48.6%であり、半数近くが過去にも検挙等された人であったということになります。そのため、再犯の防止、犯罪を犯した人の立ち直りはここ数年の重要な政策テーマになっています。
そんなの当たり前じゃないか、と思われる向きには、犯罪白書の少年非行についての各種データが参考になります。例えば、少年院入院者の被虐待経験の有無についての統計を見ると、令和3年の少年院入院者で男子の約4割、女子の約6割が何らかの被虐待経験を有しており、負の連鎖をいかに絶つかが重要であることを示唆しています。
犯罪白書は法務省のホームページから見られますので、ぜひ参照してみて下さい。