Hidezumi Inoue:最近、舞鶴市で京都維新の候補が市長になりました。これまでの市長は「中央とのパイプを活かしてインフラを整備する」と約束したのですが、京都維新系の新市長は「市長報酬のカットと給食費の無償化」を約束したそうです。面白いのは投票率です。40%から50%に増えただけでした。さらに敗れた前職と現職の差はわずか4,000票余りでした。ちょっと人が動いただけで「政権交代」になりました、
日本の政治は利益誘導型と言われます。利益の正体はインフラ整備などの公共工事です。ところが少子高齢化に伴いこれが縮小してきています。すると利権を受けてきたインナーサークルが縮小します。だから現職は不利になります。地方によってはインナーサークルが消えかけており議員のなり手が足りないところも出てきているそうです。
ここで躍進するのは「インナーサークルにいた野党」ではなく、完全な部外者です。また、京都維新はパイを増やしているわけではなく「これまであったところからとってきている」だけです。つまりパイが増えなければやがて行き詰まります。今回の舞鶴市では「市議会議長の汚職」も問題になったようです。こうした反発は瞬間的には追い風になるんですが継続的に政治参加してくれるわけでもありません。
新興勢力が出てくるのに戦略は必要ありません。新興勢力を支える新しい経済の担い手が出て来ればいいのです。イギリスで革命と王政改革の原動力になったのは経済的に豊かになった市民階層でした。仮に日本に政治的新興勢力が現れるとしたらそれは新しい経済的主体が出現したことを意味するのでしょう。
現状を見る限り日本は縮小社会です。縮小するインナーサークルに支えられているという意味では赤旗購読者に支えられている共産党も、労働組合に支えられている立憲民主党・国民民主党も、創価学会に支えられている公明党も、どこも長期低迷傾向です。
維新だけがアウトサイダーのように見えます。大阪府・大阪市では新しい価値を提示していると主張する人もいるでしょうが、単に既得権を攻撃して既得権を奪っているだけと感じる人もいるのだろうと思います。評価は人によって違うと行ったところではないでしょうか。
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