菅野 由弘:NHKの「チコちゃんに叱られる」という番組で、実験していました。 https://sirabee.com/2019/07/20/20162123276/ 風鈴の音を聞いて涼しく感じるのは日本人だけ? 実験結果に驚愕の声相次ぐ 19日に放送された『チコちゃんに叱られる!!』(NHK)では、「風鈴の音を聞くと涼しく感じるのはなぜ」というテ… https://sirabee.com それによると、日本人と外国人に「気温30度の室内で10分間座ってもらった後、風鈴の音を聞いて皮膚体温を比較する実験を行った。外国人は、風鈴の音を聞くことで体温が上昇した。しかし、日本人は全くの逆で、皮膚温度が下がったという結果になった。」という実験結果を放送していました。 少なくともこの実験では、実際に体温の変化が見られたわけです。ただ、数人のたった1度の実験で信憑性があるのか、という問題はありますが、事実、そういう結果になった。「パブロフの犬」現象があるので、科学的根拠は別としても、これはありうるかと思います。現にあった。また、「日本人と外国人」という、誠に大ざっぱな分け方なので、どこの地域の「外国人」なのかも問われるところかと思います。例えば、タイの寺院には、「風鐸」という、カラカラ涼やかな音のする「鈴or鐘」が無数にかけられていて、チャオプラヤ川の風に吹かれて、美しい音色を奏でます。日本の五重塔などにある「風鐸」は四隅に4個ですが、タイのは、小さい風鐸が何十個も下がっているので、もしかしたら、タイ人はこれに反応するかも知れない、と思うのです。他にも、そうした例は出てくるのではないでしょうか。 今、私の研究室でも、「聴覚と味覚の関係(聴く音によって味覚が変わるか)」や、「聴覚と力覚の関係(重低音を出すと力が入るか)」など、複数の感覚の関係を調べています。科学的根拠は、脳科学の問題になるので今後のこととしていますが、少なくとも現象は捉えられています。 というわけで「耳で音を聞くことと涼しく感じること(触覚?)は別の次元の話ではないのでしょうか?」へのお応えは、「脳の中で密接に関わっているのではないか」ということが、確かめられつつあります、という事になります。(Read more)