千葉逸人:数学科の場合ですと、どの大学にも優秀な先生方がそろっています。新潟大学も有名な先生が多いです。つまり、ちゃんとした教育や指導を受けることができるので、そこは心配しなくてよいです。 周りの学生たちに刺激を受けたりお互いに切磋琢磨することも大事です。 これが旧帝レベルだと恐ろしく賢い学生がごろごろいるのですが、案外、地方大学にもかなり優秀な子がいます。質問者さんのように、旧帝に行けるレベルだけど地元に留まりたいという人が一定数いるからです。 また、受験数学と大学の数学はまったく別ものなので、大学に入ってから才能が開花したパターンもあります。なので、私は学部はどこの大学でもいいと思います。数学が好きなら、才能も気にしなくてよいです。地方大学出身の数学者もたくさんいますよ。 大学院ですが、やはり大きい大学だと院への進学率が高く、同じ研究室の仲間が多いという点ではメリットがあるかと思います。しかし、大事なのは、自分が何を研究したいのか、そのためにどの先生の研究室に入りたいのか、です。大学じゃなくて先生や分野で選ぶということです。 もし4年間のうちに新潟でいい先生に出会えたなら、そのまま院も新潟でいいと思います。それで数学者になるのに不利になることはありません。大学の教員という意味での数学者でしたら、出身大学で差別することはなく、実力だけで誰を採用するか判断しています。(Read more)