セレナ:文献をあたってみましたが、これまでに見つかってはいないですね。もちろん「見つかっていない≠存在しない」ですので、本当に存在しないかは分かりません。もし見つかったら、そのメリットや感染機序を研究してみたいですね☆
調べている過程で、DNAとRNAの両方を持つウイルスが存在するかのような表記をときどき見ましたが、内容を確認してみると、そのほとんどはレトロウイルス(RNAを遺伝情報として持つが、逆転写酵素を利用してまずは二本鎖DNAを作り、それを宿主細胞のゲノムへ組み込みこんで増殖するタイプのウイルス)のことでした。レトロウイルスはDNAとRNAを上手く利用はしていますが、宿主に感染しない限りはDNAは登場しないことから、質問者様の探しているものではないでしょう。
また、RNA-DNAハイブリッドウイルスというものも報告されていますが、これはDNAウイルスであり、キャプシド(ウイルスを囲むタンパク質の殻)をコードする遺伝子がRNAウイルスで見つかっている塩基配列に相同性を示す(似ている)ことから、こういった名称で呼ばれているだけで実際にはDNAウイルスです。もちろんこのウイルスの発見は驚きであり、これはDNAウイルスとRNAウイルスの両方が同じ細胞に感染し、RNAウイルスの遺伝情報(RNA)が逆転写酵素でDNAに変換され、DNAウイルスの遺伝情報(DNA)と組み換えを起こして発生したのではないかと考えられています。
というわけで、質問いただいたようなウイルスに関しては見つかっていない(存在しない保証はないけど)というのが答えですね。