橋本 省二:英単語カードみたいに紙の短冊を束ねた色見本ってありますよね。二人で隣同士に座って一枚ずつ色の名前を確かめられてはいかがですか。相手が違う名前で呼ぶ色があったらしめたものです。これまでの人生についてじっくり語り合ってください。すり合わせて以後は同じ名前で呼ぶよう相談してはどうでしょうか。
いつも思うんですけど、色なんてヒトが光を知覚する器官の性能が限られているせいで3原色とかいいますが、実際の光はもっと多様ですよね。プリズムで分解されて七色に別れた光は、3原色を混ぜ合わせたものではなくて別の波長をもつ光です。正しくは七色ではなく波長は連続的に分布します。光のもつ性質を正確にしらべるにはきちんと分光(スペクトル分解ともいいますね。プリズムで分けるということです)してそれぞれの波長の光の強さを決めてやる必要があるわけです。ヒトが「青」と呼ぶ色も、こうしてきちんと調べると、ものによって全然違うスペクトルをもっていることでしょう。ですから同じ光であることを証明するには分光学を用いましょう。
揚げ足を取るようなことを言ってしまいました。色の話になると平静でいられないのは、自分が色盲だからです。緑と赤の区別があいまいなので、色付きのグラフとか地図とかでいつも困ります。でも信号を間違えたことはありませんのでご心配なく。