中林真幸:エントリーシートや志望動機は,面接に呼ぶ前の足切りに使うだけですから,志願者が生成AIを使うか否かは,面接に呼んだ後の選考過程には影響しませんよね。 で,何を理由として志望動機の文章を提出させるかは企業によりけりでしょう。本当に「動機」を知りたいのなら,「動機」の御化粧を生成AIに投げて作文したとしても,それで構わないということになるでしょう。実は動機はどうでもよくて,認知的能力を確かめたいだけなら,大学の成績を見れば良いということになるでしょう。 生成AIがやっていることは,ネット上に散在している情報を集めて編集する作業で,これを手作業でやっていたのが,ネット上の文章からの剽窃(コピペ)で学位論文を書く学生たちです。ネットを渉猟して剽窃率を出してくれるソフトは既に多くの大学が導入しています。 生成AIによる作文についても,主要な生成AIのアルゴリズムの特性を織り込んで,それらを使ってネット上の情報をつなぎ合わせた文章の癖を発見するソフトは作れるでしょう。志望動機の作文が本当に重視されているならば,生成AI作文発見ソフトはビジネスになるはずで,誰かがやると思います。特に,その生成AIを作っている会社ならば,高精度のソフトが作れるでしょう。(Read more)