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「嫌われることを恐れて、親密になりたくないけれど、もっといろいろな人と親しくなりたい気持ちもある」ということですね。そのお気持ちはよくわかります。あなたがお考えになっている通り、親密になってしまうと嫌われたときのダメージは大きいですし、それほど親密でなければダメージは小さいでしょう。

でも、あなたには心を許している人が何人もいらっしゃるとのこと。そんなにいるのであれば、もう十分であるという印象を受けますが、あなたご自身としては「それしかいない」と感じていらっしゃるのでしょうね。

人間関係はゼロイチではありません。どんな相手でも、一気に親密になるわけではありませんよね。ですから、言葉は悪いかもしれませんが、ちょっと試しに深い話をしてみて自分が受ける感触を確かめてみるのはいかがでしょうね。

それはたとえていうならば、ごろごろ石が転がっている道を進むときに走っていくのではなく、恐る恐る歩みを進めるのに似ているかもしれません。足元を確かめつつ試しに進んでみるのです。

どんな人間でも、またどんなに浅い関係でも、ずっと嫌われずにいるのは難しいでしょう。そして人間関係は「慣れ」という部分もあります。少し踏み出してみて、「やっぱり難しいな」と引き返す。そういう繰り返しも必要じゃないでしょうか。その繰り返しの中で、自分が進む道が見えてくるかもしれません。

そもそも、人間関係は双方向なもの。意外と相手の方も、あなたと同じように「嫌われたらダメージを受けるから壁を作っておこう」のように思っているかもしれませんよ。

「マインドを変える」みたいに即座に大きな変革を狙うのではなく、いろんな関係の深さをちょっと試してみるというくらいの軽さはいかがでしょう。

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結城浩

EngineerWriter

本を書いて生活しています。著書は『数学ガール』『プログラマの数学』『数学文章作法』『暗号技術入門』など多数。文章を書くこと、学んだり教えたりすること、プログラミング、数学、人と人とのコミュニケーションなどに関心があります。詳しい活動内容は https://mm.hyuki.net/n/n5f00c9cd281c をご覧ください。アマゾンの著者ページは https://link.hyuki.net/amayuki にあります。なお、私は数学読み物を書いていますが、数学科出身でもありませんし、数学の研究者でもありません。2014年度の日本数学会出版賞を受賞しました。〔ゆうき・ひろし〕