浅野 晃:「色」を信号で制御するものであれば,カラーディスプレイはすべてそうですが,これはカラーLEDのRGB個別制御と原理的には同じですから,ご質問の趣旨とは異なるようです。カラーディスプレイはすべて「固定された波長の光源を組み合わせて,それらの強弱を制御して」色を制御していますが,そうではなくて「光の波長そのものを制御する」ということでしょうか。
白色光から特定の波長の光だけを取り出す方法として,モノクロメーター(monochromator)という装置が古くからあります。これは,プリズムや回折格子で白色光を虹のように分けて,そのうち特定の波長にあたる部分だけを細いスリットで取り出すものです。スリットの位置を動かすと,連続的にいろいろな波長の光を取り出すことができます。私も,大学3年生の時の学生実験で,この装置を使った記憶があります。
また,波長可変レーザーというものがあります。レーザーは,誘導放出によって光を発するレーザー媒質と,特定の波長の光を強めて発振を起こさせる光共振器からなっています。媒質によっては,ある程度の波長範囲の光を出すものがあり,光共振器の共振周波数を制御することで,レーザー光の波長を変化させられます。