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「時間は連続であるか」という疑問ですが、私の理解している範囲で回答します。

まず「時間が連続である」ということの意味を明確にしないと何ともいえないように思います。あなたは、時間から何への関数を考えているのでしょう。また、時間を(経験的な意味で)戻せないということと、右側極限をとることとはあまり関係がないと思います。

そもそも「連続」という言葉は「関数の連続性」で使われる意味での「連続」と、「実数の連続性」で使われる意味での「連続」とがあります。ご質問の中ではその二つが混同されているように感じました。

通常、数学のさまざまな概念は、公理を満たすものとして定義され、その公理からどんなことが論理的に導けるかを考えていきます。それに対して物理学のさまざまな概念は、数学的にモデルとして構築し、実験や観測によって得られたデータと矛盾しないことを確かめていくものです。

「時間は連続であるか」という問いを聞いたなら、私は素朴に「時間の流れを実数として扱えるか」という問いに感じます。言い換えると「数学的に与えられている実数の公理を、物理学的に測定できる時間に対して当てはめたとしたら、物理学的につじつまが合わない現象は観測されるか」といった問いです。

あなたのご質問を読んで思ったことは以上です。私は数学者でも物理学者でもないので、これ以上はわかりません。

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結城浩

EngineerWriter

本を書いて生活しています。著書は『数学ガール』『プログラマの数学』『数学文章作法』『暗号技術入門』など多数。文章を書くこと、学んだり教えたりすること、プログラミング、数学、人と人とのコミュニケーションなどに関心があります。詳しい活動内容は https://mm.hyuki.net/n/n5f00c9cd281c をご覧ください。アマゾンの著者ページは https://link.hyuki.net/amayuki にあります。なお、私は数学読み物を書いていますが、数学科出身でもありませんし、数学の研究者でもありません。2014年度の日本数学会出版賞を受賞しました。〔ゆうき・ひろし〕