chita:* 目に見える惑星を単純に「天球上の光点」と捉えることで、動作原理の認識のいかんに関わらず、見かけ上の軌道については正確な記録ができたから
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古代からの観測者たちは、天球上にあって恒常的に不動の光点「恒星」の配置を記録し、ひときわ強く輝く太陽が天球の中を辿る道筋の近くに見出される「惑星」──惑うように位置を変えてゆく光点についても観測を続けていました。だもんで、望遠鏡が発明されて天体観測に利用されるようになるはるか以前、8世紀の半ばには既に、どの惑星がどこに見えるかを記した惑星位置の早見表は作成されていました。インドでの研究を参考にイスラム文化圏でまとめられたものです(勿論、将来にわたって正確なものではありませんでした)。
16世紀の中頃、惑星の運行は地球を含めたそれぞれが太陽の周りを回っていることによるとする考え方がコペルニクスという人物によって一般にもたらされ、既知の5つの惑星(と地球)の位置関係が見直されました。その後、17世紀になってから発明された望遠鏡が天体観測にも利用されるようになり、惑星の軌道についての、ひいては太陽系の姿についての理解が進んでいったのです。
http://www.bao.city.ibara.okayama.jp/stardb/dat/data/dat0046.html
https://www.wikiwand.com/ja/火星の観測史
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惑星位置図についての情報、ただし未整理
http://www.oit.ac.jp/is/shinkai/tenmonbunka/2021_Umeda/2021_tenmonbunka_poster_part5.pdf
「中世のコンピュータ アストロラーベとは」
https://en.wikipedia.org/wiki/Toledan_Tables トレド天文表(11世紀)
https://ja.wikipedia.org/wiki/アルフォンソ天文表 (13世紀)
https://ja.wikipedia.org/wiki/プロイセン表 (16世紀。コペルニクスの説が反映されたもの)
https://ja.wikipedia.org/wiki/ルドルフ表 (17世紀、ケプラーによる編纂)