ところてん:これらの背景を知るためには、国連主導のPRI(責任投資原則)を知らなくてはなりません。
https://www.unpri.org/download?ac=14736
PRIを雑に解説すると、機関投資家は、社会の持続的な発展のため、ESG(環境、社会、企業統治)課題に取り組んでいる組織に対する投資を行うというものです。
日本ではGPIF(年金運用基金)が2015年にPRIに署名しました。
https://www.gpif.go.jp/esg-stw/esginvestments/
これにより企業は「ESGやSDGsに取り組んでいないと、GPIFからの投資が受けられず、株価が上がらなくなる」という現実に直面することになりました。
女性比率の向上は、他のSDGsの分野と比べて、計測可能性が高く、他社との比較が可能で、また比較的即効性があるため、企業が株式市場に対してアピールするには手っ取り早い手段です。
そのため、多くの企業で女性比率の改善が急速に進んでいるものと考えられます。
つまり、女性比率の改善は、SDGsの計測可能な指標を改善し、機関投資家からの投資を受けられるようにし、企業の株価を上げるために行われていると考えらえます。
次にある疑問は企業はなぜ株価を上げたいか?です。株価が高いと、企業は様々なことができるようになります。例えば「株式交換による企業買収による事業成長」「株を担保にした、低利子の融資」などが行えるようになり資本コストが改善され、市場競争力が改善するわけです。
つまりなぜ企業は女性比率を向上させるのか?の答えは、「SDGsに貢献することで、機関投資家からの投資を受け株価を上昇させ、株価の上昇を利用して資本コストを改善し、市場競争力を獲得するため」となります。