「いいラブレターを書く方法」としては矛盾しているように聞こえるかもしれませんが「◯◯をしましょう」のようにパターン化しないことが大事じゃないかと思います。言い換えるならば、大量生産しているのではなく、一品物(いっぴんもの)の作品を作っている意識になるということです。

ですから「こう書けばいいですよ」という具体的な方法をお伝えすることは難しいと思います。それは、あなたがラブレターをもらったとしたらどう感じるかを考えれば想像が付くと思います。その人なりの気持ちを綴ったものではなく、どこかの誰かが考えた「方法」に従ったラブレターをもらってうれしいかどうか、という問題です。

といいつつも、引き続き「いいラブレターを書く方法」をお話ししていくことにします。具体的な中身はあなたご自身が考えるとしても、何かのヒントになると思うからです。

すでに「一品物の作品を作る意識になる」というヒントはお伝えしました。どこかの誰かが書いたものではなく、他ならぬあなたが考えた言葉で書きましょう。

その他には「相手のことが特別な存在であることが伝わるように書く」のも大事ですね。通りいっぺんの褒め言葉を並べるのではなく、あなたという個人にとって相手がどのような存在であるかをていねいに表現するのです。必ずしも名文である必要はありません。こなれた文章である必要もありません。でも、あなた自身の正直で率直な気持ちを表現するように努力しましょう。

そして最後に「相手のことを思いやる心で書く」のも忘れないようにしましょう。恋するときにはどうしても気持ちが舞い上がってしまいます。それは必ずしも悪いことばかりではないのですが、興に乗ってしまい、相手に理不尽な要求をしたり、相手のことを決めつけたり、何かを押しつけたりする表現になる危険性があります。真夜中にラブレターを書いて、その勢いですぐに出してしまうのは非常に危険です。

以上、三点をお話ししました。

・一品物の作品を作る意識で書く

・相手のことが特別な存在であることが伝わるように書く

・相手のことを思いやる心で書く

私が思うところは以上です。人を好きになるという気持ち、その気持ちをラブレターという形で伝えたいという気持ちはとても大切です。がんばってください。健闘を祈ります。

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