わいっしゅ:ご質問ありがとうございます。作品を見て背景画のお仕事に興味を持ってもらえるのはとても嬉しいです！さて、わたしの経験をふまえてご質問に答えていきたいと思います。 ＜１＞まず何から始めるか 上達に必要なのは続けることですが、描くことが苦痛になると続きません。なので、苦痛ではないことから始めるのが良いと思います。わたしの場合は”自分が考えて創り出した世界（キャラ）が早く見たい”が先にあったので「いきなり絵を描く」でした。模写はしていません。そして、いきなり絵を描くなかで躓いた部分を書籍から学ぶ、という順番でした。先に書籍を読んでも手が動いていないと学んだ気になるだけで身につきません。逆に、技術的な躓きがなくても先に絵の描き方の本を読んだりする機会もありますが、そういうときはその本に書いてある描き方を試したくてウズウズしてきます。例えば数学は教科書だけ読んでもいきなり難しい問題が解けるようにはなりませんし、また、例えばサッカーはHowTo本を読んでも実際に身体を動かさないと身につきません。それと同じかもしれませんね。 ＜２＞1日に何時間ほど絵に触れる／練習するのか。 わたしの場合は別の仕事をしながらでしたので、絵を描いていている時間としては、平日は、寝る前の1-2時間くらい。休日は5-6時間くらいでしょうか。といっても、こちらも集中して絵に取り組めるときに限ります。趣味で描いている程度でしたので絶対に守らなければならない締め切りがあるわけでもなく、”◯◯時間は絵に集中しなくては！”みたいな縛りは設けていませんでした。描きたいものがあってその実現のために描いていたら、平日は1-2時間、休日は5-6時間だった、ということです。現在は絵を仕事にしているため一日中絵に触れています。まったく絵に触れないのは月に1,2日くらいでしょうか。。週に1日くらいはもう少し別のこともしたほうが良いかもしれません… ＜３＞他の仲間絵師との繋がりはツイッターから？ディスコードのサーバーなど他にあったか。 最初はツイッター（現X）だったと思います。わたしが絵を描き始めたのは10年ほど前になりますが、そのころにDiscordってあったんでしょうか。それはわかりませんが、本当に初期の頃はツイッター以外での交流はあまりありませんでしたね…交流が増えてくるとツイッターで知り合った絵描き仲間と一次創作サークルなんかを作ってコミティアに出たりしていました。楽しかったです。また、同じくツイッターで知り合った仲間ととあるゲーム作品の二次創作同人誌を作ったこともありました。こちらはメンバーのひとりが某ゲーム会社で原画をしていたりします（すごい！）。わたしの場合はツイッターしか知らなかったのでツイッターだったのですが、今は他にもたくさんのSNSがありますし、他のクリエイターとつながるのは本当に素晴らしい財産になります。どんなツールでも良いのでバンバン繋がっていきましょう。ツイッターで絵を上げていた→とあるライターさんの目に留まる→コミティアで実際に会う→クリエイターの交流会に誘ってもらう→さらに多くのクリエイターと知り合う→そんな繋がりから仕事をもらえるようになる。これがわたしが仕事を得ていった大まかな経緯です。人との繋がりはとても大切だと感じます。 ＜４＞この年（中学3年頃）から背景イラストを始めるのはおかしいか。 いいえ、まったくもっておかしくありません。背景という分野に興味をもってもらえたのなら、ぜひぜひ楽しく絵を描いていただきたいです！ わたしが本格的に絵に取り組み始めたのは29歳のときです。しかも最初はキャラクターを描いていました。2-3年くらい経つとキャラクター中心でありつつも背景の要素が増えていきました。これは、キャラクターだけではそのキャラクターが生きる世界感を（わたしの実力不足が原因で）表現できないと感じたためです。なので、実質、背景画といえるものを始めたのは30歳過ぎてからということになります。 絵を描くことに限らずですが何においても始めるのは遅いということはないと思っています。始めるのが遅くても、それまでに過ごしてきた人生が糧になります。絵という分野では特にですが、絵以外のいろいろな人生経験があったほうが良いのではと思うことすらあります。 ご質問の中に、「様々なことをインプットし、アウトプットしながら絵を描くことが重要」と書かれていました。まったくその通りです。インプットは何も書籍やHowTo動画だけとは限りません。ツイッターやディスコードで知り合った仲間からの刺激、旅行先の風景や出会い、アニメやゲームの背景画からの刺激や「自分ならこう表現するのに！」という情動、趣味でやっているアクティビティ、こういうものがすべてインプットです。そして、そこから湧き上がる情熱を思いっきりアウトプットしてみてくださいませ！