川原繁人:高校の時は成績が悪かったわけでもありませんが、飛び抜けて優秀でもありませんでした。私よりも成績がよかった人はたくさんいました。とくに反骨精神が旺盛だったもので、副担任に朝礼で「お前等、川原みたいにはなるなよ」と言われた思い出は今でも忘れません。
大学の時も、出された問題の順番では、スムーズに議論が流れないと思い、自分なりに筋立てて回答したら、「自分で勝手に問題の流れを変えないでください。採点不能」と返された覚えがあります。自分が研究者になるだろうな、と思ったのはアメリカの大学に交換留学したときです。
高校までの勉強が研究の土台として必要であることは間違いありませんが、高校の成績の優秀さと研究者としての資質は別の話だと感じています。