佐藤愛:質問者さんがあげているものとは別組織ですが京都にも心霊現象について研究する団体がありました。(すでにご存知かもしれませんが。)2013年に関連資料が土蔵から出て2022年10月に研究書が出版されました。
「霊術からサルトルへ 京の土蔵に封印された老舗出版社の“裏歴史”」(『毎日新聞 』2022年11月3日)
『「日本心霊学会」研究』栗田英彦編、人文書院、2022年
同書の熊田一雄による書評(『図書新聞』2023年1月28日)
このあたりから謎を探ってみるとよいかもしれません。
これとは別件ですが、「千里眼事件」に関連する資料が公開されています。
「本の万華鏡 第13回 千里眼事件とその時代」国立国会図書館
以下、最初の部分の引用です。
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「呪いのビデオ」を見た者は、1週間後に死ぬ。
映画化されて世界的にヒットした、鈴木光司氏のホラー小説『リング』シリーズでは、この世に恨みを抱いて死んだ超能力者・山村貞子の怨念が、ビデオテープに「念写」され、映像を見た者を呪い殺します。作中で、貞子の母・志津子は透視や念写の能力をもつ超能力者として、父・伊熊平八郎は志津子の能力の研究をスキャンダル視され大学を追放された学者として描かれます。この貞子の両親のモデルとされるのが、明治時代末、学界やマスメディアを騒がせた「千里眼」と呼ばれる超能力者たちと、その研究に取り組んだ東京帝国大学助教授・福来友吉博士です。
本展示では、当時の実験記録から事件の経過をたどるとともに、同時代の科学者たちの見解や社会の反応を紹介します。(引用おわり)
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他の資料も見て個人的に面白いと思ったのは、「千里眼」について肯定派と否定派とに分かれるだけでなく、物理現象として捉えるか精神作用として捉えるかで論争があった点です。また、「千里眼事件」をモデルとして生まれた「貞子」がここまで国民的キャラクターになったのはなぜなのか?ということも気になります。(2022年放送のアニメ『チェンソーマン』のOPにも映画『貞子vs伽耶子』のパロディが織り込まれているようですね。「貞子」は「ゴジラ」同様、恐れられるとともに親しまれる存在になったのかもしれません。なぜなのか考えてみると面白いかもしれません。)
こうした資料をぜひ分析してみてください。