正直に白状します。理論物理学の研究者(自称)としてもう30年くらいやってきましたが、二次方程式の解の公式を正しく覚えているかどうか自信がありません。三角関数の加法定理も半角の公式も全然自信ありません。他にもいっぱい公式があるみたいですけど(うちの子の教科書を)見るたびに感動します。こんなことできるんだ。すごい。証明を読んでもう一度感動。人類はめちゃくちゃなことをいろいろやってきたけど数学を発明しただけで偉い。いつもそう思います。

こういうのを覚えて実務で使う仕事なんてあるんでしょうか。私にはあんまり想像できません。だから別にできなくても構わない。そう割り切ることもできると思うんです。ただ、「できる」ということを知っていることは重要です。二次方程式は解ける。解くための手続きは平方完成。それだけ知っていればいつでもできるし応用もできます。三角関数のいろんな公式は、オイラーの公式さえ知っていれば簡単に導くことができるから忘れてもよい。他にもいざとなったら公式集にはいっぱい便利な公式が書いてある。

本当に理解するということは、覚えなくてもできるということなのかもしれませんね。四則演算は、筆算をすればできる。仕組みさえわかっていればあとは電卓を使えばいいですよね。でもいざというときに自分でできないようだと電卓で出てきた数字だって怪しい(押し間違えはいつでもあるし)。それと同じです。

公式なんて覚えるな。うちの子によく言いますが、いつも迷惑そうな顔をされます。時間が限られたテストの時間中にもう一度導けと言うのか。まったくその通りでした。だから私は塾の先生とか務まりそうもありません。

1 year ago1 year agoUpdate

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Past comments by 橋本 省二
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