まず議員秘書には、国が給与を支給し、特別職の国家公務員となる公設秘書と、議員が私的に雇用する私設秘書があり、公設秘書には、公設第一秘書・第二秘書・政策担当秘書の3種があります。このうち、公設第一秘書と第二秘書は職に就くために特別な資格は必要ありませんが、政策担当秘書になるためには、政策担当秘書資格が必要になります。

政策担当秘書資格を取得するには、資格試験に合格するか、選考採用審査認定を受ける必要があります。このうち、選考採用審査認定は、認定を受けることができる者が定められており、①司法試験、公認会計士試験、国家公務員上級職試験等に合格している者、②税理士・司法書士等として勤務した経験が10年以上ある者、③博士号を持つ者、④著書等を持つ者、⑤公設秘書歴があり政策担当秘書研修を修了した者、のいずれかが条件です(詳しくは、https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/hisho/r2houki.html#houki03)。

質問者が仰っているのは、③のことだと推察します。政策担当秘書はもともと議員の政策立案活動を補佐するために創設された制度であり、そのため必要な政策に関する高度な知識・思考力を担保するため、本来であれば資格試験に合格して資格を取得するというのが王道であるべきです。しかし、実際に政策担当秘書として働いている人のうち資格試験に合格して資格を取得した人は、制度開始以来、1割程度に留まる状態が続いています。残りの9割程度は選考採用審査認定を受けて資格を取得した人であり、その大半は⑤、つまり公設第一秘書・第二秘書の経験者が横滑りするケースによって占められている、と言われています。

選考採用審査認定の内訳は公表されていませんが、③の博士号によって資格を得た人は他と比べて少なく、その中でも実際に政策担当秘書として働いている人はごく少数に留まると思います。(全くいない訳ではなく、実際に私が政策担当秘書として働いていた時も、そういう方にお会いしたことは何回かあります。)

1 year ago

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