杉本憲彦:ご指名ありがとうございます。これから気象学への進路もお考えとのことで、ぜひ楽しんで学んで欲しいと思います。 気象学は天気予報や気候変動予測など、工学的な側面も多々ありますが、基本的には理学部で基礎を学ぶことが多く、教科書も理学系の方が執筆していることが多いです。気象予報士を目指す方にも、気象の理学的な基礎を学ぶようにお薦めしています。 まずは王道は「一般気象学」でしょうか。これだけだと難しいかもしれませんが、読んでみて熱力学や流体力学など不安に思う部分を、その分野の教科書で復習するといいかと思います。「気象力学通論」「総観気象学入門」は気象の力学や温帯低気圧を学ぶのに使いました。私の場合は流体力学もかなり重要な要素だったので、巽先生の「流体力学」を読みました。 基礎的な数学、物理学、プログラミング言語は大学の学部で学ぶもの、院試で問われる範囲を修めておくといいと思いますが、後からでも学べます。気象モデルの多くはFortranで書かれていますが、可視化はPythonでも大丈夫になりつつあります。 大学院に入ってからは英語の教科書を輪読していました。力学だとHoltonとVallisが王道ですかね。進学先の研究室の分野に合わせた推奨書があると思います。ちなみに英語も大事ですよ。(Read more)