舟橋 秀晃/FUNAHASHI Hideaki,Ph.D.:この問題は、エンタメだけでなく芸術作品全般において、受容する大衆と作品との間で共有される「同時代性」という概念で論じることもできると思います。
ただ、以下のサイトには興味深い記述がありました。
長く続くガンダムシリーズを、あくまで〈バンダイナムコが展開するコンテンツビジネス〉として観察する場合、《ガンダムSEED》に関する以下のサイトの記述を踏まえるのであれば、《水星の魔女》の「初の女性主人公」や「なんとなく百合展開の感じ」といった要素は、「世界的なLGBTの多様性への配慮」とみるよりは、むしろ「少子化・人口減の続く日本市場へ向けた、SEEDで確立した女性ファン獲得路線の一環」とみるほうがよさそうにも思われます。
「上記グラフの範囲外ですが、ガンダムシリーズのターニングポイントの一つとして、2002年に放送されたガンダムSEEDが挙げられます。SEEDは従来のガンダムシリーズとは若干かけ離れたキャラクターデザインが特徴であり、主要登場人物の多くがイケメン&美女に描写されています。その結果、これまでガンダムシリーズには少なかった女性ファンが多く生まれ、ユーザー層が大きく広がったのです。/女性はガンプラに興味は示しませんが、キャラクターグッズやコスプレ衣装などの売上げは格段に伸びました。特に映像ソフトの売上げは顕著で、一般的なアニメのDVDは1巻=1万枚売れれば大ヒットと言われる中で、SEEDは1巻平均10万枚以上を販売しています。オールドファンからは「腐女子に媚びすぎだ!」などと嫌悪されていますが、SEEDで女性ファンを上手に獲得した事も、ガンダムシリーズの市場規模拡大に繋がったと言えるでしょう。」
https://toukeidata.com/entame/gundam_sijyoukibo.html