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「広い意味で心に残る映画」ということで考えてみました。でも、よくよく考えると、その映画そのものがどうかというよりも、自分が人生のその時期で見たからこそ意味があるような気がしてなりません。

学生時代にはたくさん映画を見たので、そのような出会いが多くあったとも言えます。また、最初から「これは人生の糧になる映画だということだぞ」と気負ってみるよりも、単なるエンタメのつもりで見たものの方が印象に残るような気もします。

という前置きはさておき。

私のベストは『アマデウス』です。特に途中までのサリエリとの関係は、作品を作ることと、才能と、嫉妬と、見分ける目とが入り組んで何とも言えない世界を作っていると思います。

『サウンド・オブ・ミュージック』も心に残る名作中の名作です。教えること、厳しさ、愛、社会の中で生きることの意味などを考えます。

『舟を編む』はだいぶ新しい作品ですが、辞書編纂の物語です。大きな事件は何も起きないのですけれど、淡々と長期間に渡って地味な仕事を続けて生きていくことについて思う作品です。

三作ほどご紹介しました。こうやって並べてみると、私自身「なるほど」と思うところがありました。自分の心に感じた作品というのは、自分自身のある側面を描き出すものだなと思ったからです。

あなたにも、心に感じる作品とのよい出会いがありますように。

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結城浩

EngineerWriter

本を書いて生活しています。著書は『数学ガール』『プログラマの数学』『数学文章作法』『暗号技術入門』など多数。文章を書くこと、学んだり教えたりすること、プログラミング、数学、人と人とのコミュニケーションなどに関心があります。詳しい活動内容は https://mm.hyuki.net/n/n5f00c9cd281c をご覧ください。アマゾンの著者ページは https://link.hyuki.net/amayuki にあります。なお、私は数学読み物を書いていますが、数学科出身でもありませんし、数学の研究者でもありません。2014年度の日本数学会出版賞を受賞しました。〔ゆうき・ひろし〕