Yoshi Yamaguchi:質問は「日本がアメリカに対して遅れを取っている」という内容であると解釈しての回答です。あくまで私見ですが以下の2点に集約されると思います。
* アメリカは英語が公用語であり、日本は英語でのコミュニケーションが苦手である人が多いこと
* アメリカはソフトウェアに限らずエンジニアのような専門職に対する給与水準を高く置く傾向が強く、日本ではそうではなかった
* アメリカはビジネスをハードウェアからソフトウェアに早い時期に切り替えたことに対して、日本ではハードウェアビジネスを重視しすぎてしまった
ソフトウェア産業に限らず、多くの業界で英語が共通言語となっているので、英語を公用語とするアメリカは非常に有利な立場となります。
また英語が使える優秀なソフトウェアエンジニアは世界中に多くいますが、日本人に限らず、そういった方々がアメリカで働く、あるいはアメリカ資本の企業で働く選択をしています。同じ仕事をして、多くの給与を得られるのであればそちらに行こうと思うのは自然な発想だと思います。そういった優秀な人達が一箇所に集まればそこでコミュニティができ、標準化に関してもそこが中心となりますし、アメリカに優位に働くことでしょう。
さらに、アメリカでは日本、中国、韓国が台頭してきたこともあり、ハードウェアビジネスで利益を出すことが難しくなってきた時代に、ソフトウェアビジネスからの収益を重視するように変化してきました。英語が共通言語として使われていることもあり、英語でソフトウェアやサービスを開発すれば広い市場に展開できます。日本ではソフトウェアがどうしても国内市場に寄ったものが多く、ハードウェアのような言語に中立なものを中心としたビジネスが長らく続いた結果、大きな差が開いてしまったのだと思います。