川原繁人:私は、これはむしろチャンスなのではないかと思います。といいますのも、現代の社会において、複数の分野にまたがる視点というのは非常に重要で、研究上でも二つ以上の学問に精通していることは大きな武器になるからです。例えば、私の専門は言語学ですが、数学の修士号を持っている仲間が数人いまして、彼らは非常にユニークな研究をおこなっています。一見すると、言語学と数学などはとてもかけ離れているように思えますが、数学のバックグラウンドがあるからこそできる言語研究もあるのです。個人的には、現在自分の専門分野の分析ツールを使って音楽の分析を始めていますが、もう少し音楽(学)の知識があれば……と思う毎日です。ですから、質問者様にとっても農学とマーケティングという二つの分野の知識があるからこそ得られる新たな視点がきっとあると思います。