小林朋道 公立鳥取環境大学 教授 動物行動学 進化心理学:今、研究されているようですが、可能性が高いのは、有毒成分を無毒化する酵素を有しているのではないかと思います。免疫の抗体も、抗原の有毒部分に結合して無毒化し、細菌などから個体を守ることはよく知られています。ホンドリスだけがベニテングダケの有毒成分を無毒化する酵素を作れるようになったのか(もし、そういうことだったとしたら)。それは、ホンドリスの遺伝子で偶然、突然変異が起きたからです。新しくできた遺伝子が、たまたまベニテングタケの有毒成分を無毒化する酵素の設計図になりえたからです。もちろん、その背景にはホンドリスとベニテングタケの生態的な特別な関係があったのかもしれませんが。カリフォルニアジリスでは、ガラガラヘビが分布する場所に生息するカリフォルニアジリスだけが、ガラガラヘビの毒に対する耐性をもっており、免疫系が関係していると推察されています。自然淘汰の結果、そうなったのでしょう。(Read more)