彩恵りり🧚♀️科学ライター✨おしごと募集中:今日は雪だね!皆さん通勤通学はご注意を! 通常、日本列島はユーラシア大陸側、特にシベリアが高気圧になりやすく、相対的に太平洋側が低気圧になるよ。「西高東低の冬型の気圧配置」という言葉はこの状態を指していて、高気圧側から低気圧側へと風が吹くことで、湿った空気が日本海側に雪を降らすよ。ただ、山脈を超える段階でこの湿り気のほとんどが雨や雪に変換されてしまい、太平洋側に届くころには乾燥しているよ。気圧差が大きかったり距離が近ければ、風は強まるし、日本海側では雪も強くなるよ。 一方で関東地方で雪が降る場合、それは「南岸低気圧」と呼ばれる全く別の要因が関係しているよ。文字通り南岸、本州の太平洋に面した南側を通過する低気圧のことを指すよ。湿った空気を保持した低気圧なので、通常は乾燥している関東地方にも水分を供給し、雨や雪をもたらすよ。ただ、南岸低気圧が雨か雪を降らせると予測するのは簡単だけど、雨と雪のどちらが降るのかを予測するのは困難だよ。通過場所やその他の要因が極めて複雑な因子となり、それぞれの予測も難しいのが理由だよ。 さて、ご質問の内容「東京で雪が降るときは、なんとなく風が弱いときが多い」だけど、私が調べる限りはそのような内容を記載している情報は見当たらなかったね。むしろ、南岸低気圧の通過時に強風を警戒するように呼び掛ける情報の方が多いね。これは災害に対する注意喚起を込めているので警戒側にバイアスがあるのかもしれないけど、一般的に考えれば、雪をもたらす確率が高いのは発達した低気圧であり、発達した低気圧は風が強くなりやすいから、これは理にかなっているよ。西高東低でも南岸低気圧でも、強い雪と強い風はセットになると考えることができるよ。また、南岸低気圧で雪が降るには気温低下が必要だよ。では冷たい空気がどこにあるのかと言えば、北だよね?実際、北寄りの風が強いほど、雪が降りやすく、強くなる傾向にあるよ。 では、なんで「雪が降る時は風が弱い」と感じるのか。これは2つのいずれか、または両方の理由があると私は想像するよ。1つは、風が強い時、つまり南岸低気圧が発達している時の降雪は局所的になる傾向にあること。北から冷たい空気を引っ張れば雪だけど、逆に南から暖かい空気を引っ張れば、気温が上がって雨になりやすくなるよ。これは南岸低気圧の中心から見てどの位置に観測地点があるか、という話になるよ。だから、風は強いけど雨だった、ということになる可能性があるよ。また、強い雪と風が局所的だと、遭遇する数が少なくなるから、相対的に弱い雪と風に遭遇する数が多くなり、結果として「雪が降る時は風が弱い」となってもおかしくないね。もう1つは、質問者さんが外に出る量にもよるかな。雪はふわふわした構造なので、音をよく吸収するよ。雪の日が静かに感じるのは、人や車の通行量という要因もあるものの、物理的にも静かになりやすい環境となっているよ。雪が降るような気候の時に、普通は窓を閉めているので、それでも風を感じるとすれば音を立てるような風速が必要になるよね?音を吸収しやすい雪の日は、晴れている日なら聞こえていたかもしれない風音を消している可能性があるよ。(Read more)