田口善弘@中央大学:紙(paper)とパピルス(papyurus)と木簡と羊皮紙:書写メディア
にある通り「パピルスは、フェニキア経由で地中海世界にも数多く輸出されており、ソクラテスやプラトンの時代のギリシャでは一番使われる書写材料になっていた。紀元前5世紀のアテネは、すでにパピルスを扱った書籍商も存在していたという。プラトンのアカデメイアやアリストテレスのリュケイオンに代表される学術的な図書館には、パピルスの巻物が並んでいたはずである」です。パピルス、というと日本では古代エジプトの巻物というイメージが強いですが、実際にはギリシャにも伝わって標準的な記録媒体として使われていたみたいですね。
実際パピルスは中国から紙の製法が伝わるまでは長い間標準的な記録媒体であったようです。「製作にはかなりの人手と日数を要した事、1枚1枚手作業によって製作されていたために高価だった」という問題があったのでより安価で書きやすく、かつ、強度的に優れた紙の製法が伝わると一気に使われなくなったのでしょう。もうちょっと経つとさすがの紙もデジタル化の波に押されて記録媒体としては引退を迎えそうな雰囲気ですがこれほど長く使われてきた紙というものがあるからこそ、このような疑問も出てくるのでしょうね。