「もっと相性が良い女性がいるかもしれないから結婚に踏み切れない」という内容だと理解しました。

アドバイスというわけではありませんが、思うところを三点お話しします。

  • 覚悟について

  • 時間について

  • 経験について

覚悟について。

「結婚の覚悟」というと話が大げさになってしまうかも知れませんけれど、私には「覚悟」という表現が一番しっくりきます。人生にはいろんなことがあります。結婚となるといままで他人であった相手とずっといっしょに過ごすことになりますから、それこそいろんなことが起こります。

そんな中でも「あえて、この人と一生過ごそう」という判断をするのは、やはり「覚悟」という表現がぴったりだと思います。「決心」や「決断」でもいいのですが、もうちょっと大きな、重みが必要であると思います。

相性の問題はあると思いますけれど、心構えとして、あれこれ比較をして、まるで品定めをするようにして最善の相手を選ぶというのは、考え方や態度の点で何だか違うような気もします。これはあなたご自身の結婚観に関わってくるわけですけれど、あなたは結婚をどんなものだとお考えでしょうか。

時間について。

先ほど「人生にはいろんなことがあります」と書きましたが、別の言い方をすれば、結婚したあとも時間は流れていくともいえます。時間が流れるということはさまざまなことが「変化」をするわけです。仕事や勉強や人間関係を通じて考え方も変化しますし、年齢を重ねていくうちに好みだって変化するでしょう。身体も心も止まってはいません。

ということはもしかしたら「あれ? この人とは最高に相性が良いと思って結婚したけど、何だか違うぞ」と感じるときが人生のどこかで起きる可能性は高いわけですね。あなたが相手に思う場合もあるでしょうし、相手があなたに思う場合もあるでしょう。ではそのとき、あなたは「実はもっと相性の良い女性がいるのではないか」と探し始めることになるのでしょうか。

時間について考えるというのは、時間に伴って起きる変化について考えるという意味です。問題が起きたら、話し合うなり歩み寄るなり、耐えられる範囲なら耐えたり、悩みつつも、それでもこの人と過ごしていきたいと思えるかどうか。そこには、先ほども書いた「覚悟」が伴ってきます。

さらにいうならば、人間関係は時間を共に過ごすことによって変化するだけではなく「深化」していきます。関係を育てていく、育んでいくとも表現できます。結婚はゴールではなく、二人で過ごす生活のスタートです。よちよち歩きの赤ちゃんのようなものです。結婚の時点で嫌いな人、相性が合わない人をことさらに選ぶ必要はありませんけれど、そこから先の時間について、変化の可能性について考えることが大事ではないでしょうか。

経験について。

「これまでの女性経験が少なく、比較対照がない」というのは、ちょっと考えるともっともだと思いそうになります。でも、それでは、女性経験が多く、比較対照が増えたとしたら、あなたの悩みは解決するのでしょうか。比較できる多くの女性と付き合った経験があれば、良い相手と結婚ができるでしょうか。

スマートフォンの機種選びならば、比較対照してもっとも自分に合ったものを選べますけれど、人間関係の場合、特に結婚相手を選ぶ場合にはなかなかそうはいきません。同時に複数人を比較することは通常できません(そんな行為をすることによって、相手から断られるでしょう)。

そもそも、先ほど時間について話したのと同じように、相手との関係性は変化していきますから、比較することは難しいものです。現実的には厳密な比較は不可能と考えた方がいいでしょうね。さもないと、なまじっか女性経験が多くて比較対照が可能だと考えるなら「あーあ、三年前に付き合った人の方が良かったな」などと要らぬ考えにおちいる可能性が高いでしょう。

以上、覚悟と時間と経験について思うところをお話ししました。何かの参考になれば。

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