イナダシュンスケ:正確に言うとマーガリンが苦手なのではなく「マーガリンを使った炒め物の中に苦手なものがある」のです。 少し詳しく説明します。 まず、僕はマーガリンには3世代あると認識しています。 第一世代はもう普通のスーパーなどでは買えないんじゃないかな。独特な匂いです。鳩サブレみたいなブリキ缶で業務用として流通しており、古くからの喫茶店やロメスパなんかではまだまだ使われています。これを使ったピラフやスパゲッティなどが苦手の象徴です。 これは加熱しない場合もちょっと苦手です。僕は駅弁の某サンドウィッチを愛しているのですが、それに2切れだけ入っているチーズサンドにはこれが使われています。それだけはできればアップデートして欲しいと密かに思っているのですが、そのサンドウィッチはアップデートしないからこそ他の要素の良さもキープされているので、若干無理をしつつ受け入れています。 第二世代は今のスタンダードだと思います。これは生なら全く気にならないどころかむしろ好きです。菓子パンに挟まってたりしますね。トーストに塗るとやや独特のクセがまだありますが、そこまでは許せます。しかしこれもまた炒め物だと、量にもよるのかもしれませんが匂いがやっぱり苦手です。 第三世代はグッとバターに近づいています。生、トースト、全く問題ないです。炒め物に使われたのは食べたことがありませんが、もしかしたらこれなら炒め物でも大丈夫かもしれない予感はあります。 このようにグラデーションはあるのですが、おそらく最大の問題は、僕がバターが好きすぎることなのではないかと思います。第一はともかく第二第三世代に対しては「バターにはない別の良さもある」と考えるのが妥当である、と理性ではわかってもいるのですが、感覚としては「あらゆるマーガリンはバターの下位互換である」と感じるのです。 トーストや菓子パンならマーガリンを受け入れる、とは書きましたが、同時に、それがバターに置き換わると確実にもっとおいしくなるのにとも思ってしまう。日持ちやコスト的にそういうわけにもいかないのは分かっているから受け入れています。ですが少なくとも自分が料理する上では、あえてマーガリンを選択する理由が何ひとつ無い、という結論になってしまうのです。(Read more)