井手 雄紀:多孔性配位高分子は、有機物化合物と金属イオンの配位結合を利用して形成されており、その特徴的な隙間(空孔)サイズに適した様々な小分子や化学種を保持しておくことが可能になります。一般的には、ガスに対する吸着剤として応用されることが期待されています。構成する有機化合物の分子長や性質を活用することで、保持可能なガス種類の選択やある外部刺激(温度、光、pHなど)によって包接していたガスを任意のタイミングで放出することも可能となります。ガス保管容器として、日常的には堅牢なガスボンベなどが多く使用されていますが、今後多孔性配位高分子を用いることで大量のガスを手軽に運べるような新材料や製品の開発が期待されますね。