さのたけと:幼少から数学の才能があったタイプの人も一定の割合でいると思いますが、そうでなければ突破できないほど狭い門でもないという印象です。それは数学の研究が「頭脳バトル」のような世界ではなく、広大な研究分野の中で何をどう研究するかにかなりの自由度があるからだと理解しています。
数学専攻が厳しい道なのは事実だと思います。私にとっては大学院の6年間は38年の人生で最もハードな時期でした。それを乗り越えて学位を取ることができたのは、素晴らしい先生や仲間との出会いがあり、自分にあった研究テーマを運良く見つけることができ、それをやり続ける情熱を持てたこと、特に家族からのサポートがあったからだと受け止めています。