トップダウンコントロールといいます。単純化した例として、ヒトデ・イガイ・フジツボの3者関係を示します。イガイもフジツボも岩場に張り付いて水中のプランクトンという共通の餌を食べています。この2者が単純に競争すると、イガイが一方的に勝利を収めてしまい、岩場からフジツボが駆逐されてしまいます。つまり、結果的に生態系の多様性が失われてしまうわけです。ここに、イガイとフジツボの両方を捕食するヒトデがいると、生存競争の結果増えたイガイをヒトデが食べてくれるため、フジツボは駆逐されずに生き延びることができます。結果的に3種の生物からなるより多様な生態系が維持されるというわけです。

もっと大きな海洋生態系においては、高次捕食者であるラッコがウニを補食してくれるおかげで、ジャイアントケルプが繁茂した豊かな生態系が維持されているという話が有名です。

ザトウクジラなどのヒゲクジラは、動物プランクトンや小魚など、栄養段階にすると低次の餌を食べているため、具体的にどのような形で生態系維持に貢献するのか、私にはよく分かりませんが、上記に似たようなことが起こるものと推察しています。

2022/01/13Posted
Loading...
Send anonymous messages to 佐藤克文
0 / 20000

Please read and agree to the Terms of Service and Privacy Policy before using.

Loading...