平山隆志:簡単に説明します。おっしゃる通り、植物は植物特有の免疫システムを持っており、それによりある程度病害菌の感染を防ぐことができます。何らかの原因で植物が弱くなると免疫力が下がり感染症が増えることがわかっています。ですので、病害を防ぐには、まず植物の生育状態を良好に保つことが大切です。感染症を減らすための他の方法として、一般的な方法としては、農薬による病原菌の繁殖の抑制があげられます。農薬により病原菌を完全に除くことはできませんが、病気の発症を低下させる効果があります。この他、植物の免疫応答を活性化させることがあげられます。例えば、免疫応答に関係する植物ホルモンや化学物質を添加することで病気の発症を抑えることができると考えられており、そのような研究が盛んに進められています。一方、これまでの研究により、それぞれの病原菌の認識に関わる遺伝子がわかってきています。それらの情報を用いることで、特定の病原菌に抵抗性を持つ作物を作ることが可能になると考えられています。