粟田知穂:ひどい話ですね。AとB、特にBの行為は名誉毀損や侮辱という犯罪に該当し得る行為ですので、法的には断固たる対応を、と申し上げたいところです。それに対する会社側の対応が不十分ということであれば、刑事事件として捜査機関に相談することも考えられる、ということを伝えてもよいかもしれません。まずは社内にハラスメント等の相談窓口や法務部があればそちらに、なければ外部の弁護士や各種法律相談等でしょうか。いずれでも、時系列に沿って客観的な事実を説明できるように整理しておくことです(いつ、誰が、具体的にどのような発言をしたのか)。その際の立証方法は何かも重要です(教えてくれたお客様はどのような方で、会社から聞き取りがあった場合に記憶通り説明して下さるかどうか、メールやメモ等は残っているかなど)。
とはいえ、現実的な面も申し上げれば、会社組織にもいろいろあります。仮に経営側がこの手の問題に鈍感で、しかもAやBが会社的には利益を生んでくれるという意味で「優秀」とされていたりした場合、彼らの方が守られてしまうということも考えられないではありません。お客様に協力いただくということであれば、社内だけでおさまる話でなくなるということもあるでしょう。もし直ちにそこまでの状況を望まない場合は、軟着陸的解決という意味で、信用できそうな上司や先輩に「つらかった」ということを話してみて、反応を探るというのも一つかもしれません。一定の期間を経て直接ないし間接に謝罪や後悔の念が伝わってくるのであれば、法的解決は同様のことが次に起きた際まで待つということもあり得るでしょう。いずれにしても、この手の人たちは、いくら「営業的に優秀」であっても、現在の社会感覚からすれば「問題社員」であって、会社組織にとってはリスクでしかなく、退場が求められるべき運命にあるということを経営側も心に留めておく必要があると思われます。