X線の方が物体を透過しやすいと思われがちなのですが、じつは、大気中でも電波の方がはるかに届きやすいのです。医療現場で用いられているX線のエネルギーが透過できるのは、コンクリートでしたらセンチメートルのオーダーでして、例えば地表からX線を入射して、地下鉄でX線を検出することはできないのです。大気の例ですが、電磁波の波長によってどれくらい透過しやすくなるか、日本天文学会のWebページ(こちら)でご覧になることができます(右の「大気の窓」をクリックください)。

電磁波の透過率の波長依存性は、それほど単純ではないことをご理解いただけると思います。また、物質によっても、この波長依存性は異なります。極簡単に言うと、電磁波と物質の相互作用のしかたが、波長や物質によって異なるためでして、例えば、X線は原子の中の電子の結合を切るときに吸収されるのですが、その確率が非常に小さいために、可視光よりも透過しやすい性質をもっています。

2023/01/14Posted
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