Tomyuki Yokota:ご質問ありがとうございます。私の知り合いの研究者中には、ペロブスカイト太陽電池の研究を行っている人が多くいます。太陽電池の特性を考えるといくつか重要なパラメータがあります。
1つは太陽光をどれだけ効率よく電気に変換するかという指標であるPCE(power conversion
efficiency)があります。これは、ペロブスカイト太陽電池と同様に溶液プロセスを用いて成膜で着る有機太陽電池と比較してもかなり高い値が出ておりまして、20%を超えております。
その他に重要なパラメータとしては、安定性があげられます。初期の効率が良かったとしても、発電をしていくうちに効率が下がってきてしまっては実用化を行うことができません。初期のペロブスカイト太陽電池は、安定性に課題があるということが多く言われてきました。しかし、近年では構造や材料の発展と共に安定性に関してもかなり改善は見られてきていると思います。しかしながら、シリコンの太陽電池などと比較してしまうとまだまだ十分ではないというのが現状です。
さらにもう1つ重要点として挙げられるのが、ペロブスカイト材料です。多くの効率が高い太陽電池では、ペロブスカイトとして鉛原子が含まれております。鉛は毒性がある材料としても知られており、この部分が1つの課題と言われております。現在、鉛フリーのペロブスカイト太陽電池などの研究は行われ始めていますが、まだ実用レベルには達しておらず、まだまだ時間がかかると思われます。